札幌市中心部の日照、月ごとの違いと理由
札幌市の中心部、建物が最も集まる地点を対象に、月ごとの日照時間を計算しました。同じ市内でも場所によって日当たりが変わる理由を、高さと距離の関係から見ていきます。
建物が集まる場所を選んで計算した数字です
この記事の数字は、札幌市内で建物が最も密集している地点(緯度43.1103、経度141.4204)の地上1.5メートルを対象に、646474棟の建物データから計算したものです。地上1.5メートルというのは、庭やベランダに立ったときの目の高さに近い数字で、洗濯物を干す場所や掃き出し窓からの明るさを考えるときの目安になります。
月別に見ると、日照時間が最も長いのは6月の6.33時間、最も短いのは1月の4.00時間でした。可照時間(日の出から日没まで、理論上日が当たりうる時間の長さ)に対する割合は1月が43%、6月が41%で、実はどちらの月もほぼ同じくらいです。差がついているのは割合ではなく、日が出ている時間の長さそのものです。
割合が4〜5割にとどまるのは、周りに建物が多いからです
月別の日照率(日照時間÷可照時間)は、低い月で34%(4月)、高い月でも54%(2月)と、いずれも半分前後です。建物が最も集まっている地点を選んで計算しているため、周囲の建物の影を受けやすく、日が出ている時間のうち実際に日が当たる時間は限られます。同じ市内でも建物がまばらな場所を選べば、この割合はもっと高くなるはずです。
冬至(12月22日)は日照4.17時間・可照9.00時間、夏至(6月21日)は日照6.50時間・可照15.33時間でした。冬は太陽の高度が低いため、建物1棟がつくる影が横に長く伸びます。同じ建物の南側にある土地でも、冬のほうが影の届く範囲が広がりやすい、というのはこのためです。
1.5メートルと4メートルでは、数字が違って出ます
同じ冬至の日でも、測定する高さが変わると数字は変わります。地上1.5メートルでは日照4.17時間だったのに対し、建築基準法56条の2の日影規制で使われる地上4.0メートルの基準では、日照4.67時間(日影3.33時間)という結果でした。高さを上げるほど、近くの建物の陰から抜け出しやすくなるため、日照時間が長く出る傾向があります。
集合住宅を検討する際、1階と2階・3階で日当たりの体感が違うと感じることがあるのは、この高さと日照の関係によるところが大きいと考えられます。ただし実際の建物の階高や周辺の建て方によって差は変わるため、あくまで傾向として捉えてください。
高さのルールとデータの更新時期も影響します
札幌市では、低層の住宅地とその南側に接する区域の一部に、北側の敷地への日照を確保するための高さ制限(北側斜線型の高度地区)が設けられている地域があります。こうした制限がある区域とない区域では、将来建つ建物の高さの上限が異なるため、同じ地点でも数年後の日照条件が変わる可能性があります。
今回使った建物データは2026年8月30日時点のもので、これより新しく建った建物は反映されていない場合があります。また、北海道は日本海側の気候で曇りや雪の日が多いとされ、計算上の日照時間はあくまで「晴れていれば日が当たる時間」を示すものです。実際に体感する明るさとは差が出ることがあります。
この数字に含まれていないもの
この計算には、建物の壁面や高さは反映されていますが、屋根の形、庭木や街路樹、塀といった要素は含まれていません。同じ場所でも、実際にはこれらの影響でもう少し日照が短くなることがあります。
土地や住まいを検討する際は、この数字を出発点にしつつ、できれば午前・正午・夕方の時間帯に現地へ足を運び、実際の日の当たり方を確かめることをおすすめします。特に冬至前後の時期に見に行くと、1年でいちばん条件の厳しい状態を確認できます。